1.8MHz /1.9MHz Duplexerの製作
最近の160m BandはDigital mode WSJT-X FT8によるDXingが大流行です。これまでアンテナマストトップまで約40m高の鉄塔へTower shunt feed antennaとしてアンテナ基部で1.8MHz にマッチングさせてこれまで160m Bandを楽しんできました。
日本で許可されているFT8などのDigital modeは1.9MHz帯の運用だけで、FT8のDxingではスプリット操作による1.840MHz受信、1908MHz送信のシステムが必要となります。
簡易にシャック内に1.8/1.9MHzのMatching/Switching Boxを取り付けてFT8を運用し、28 Dec 2017の日付で「DXCCアワード160m」を獲得しました。
より多くのDXCCエンテティーをゲットするために、1.8/1.9MHzのMatching/Switchingシステムをアンテナ基部へ160m Band Duplexerとして製作し、Digital/CW Modeでのオペレートを楽しんでます。 1.8MHz /1.9MHz Duplexer
160m Bandが一本のアンテナでしか運用できない我が家の敷地条件、このアンテナでFT8 DXingを楽しもうと工夫してDXCCアワードへの挑戦です。
旧システムはシャック内に1.9MHzのマッチング部を付加して、トランシバーのSEND信号で1.8MHz側と1.9MHz側を切替えてFT8を運用してきました。
これではアンテナ基部までの同軸ケーブル損失や1.8MHz マッチング部での損失で不十分な結果でした。
今回の「1.8MHz /1.9MHz Duplexer」では損失が少くない様にマッチング部、スイッチング部をアンテナ基部へセットしました。
1.8MHz側はこれまでのセットを移設し、切替リレーまでの配線が長くなった分をVVC 300pF(Variale type vacuum condenser)で補正しました。
新設した1.9MHz側はTower shunt feed antennaから切替リレーを経由して、新設のVVCへ接続し、AA30(アンテナアナライザー)で1.908MHzの周波数で
Z=R±jXを測定します。
VVC 60pF+100pF(セラコン)でリアクタンス(+jX)をキャンセルした時のアンテナインピーダンスを求めます。
測定結果
Z=R±jX・・・16.1Ω=16.1Ω-j0.2Ω
【1.908MHzオートトランス 試作】
給電同軸50Ωへマッチングさせるために丸コアT-200 #2(赤)にエナメル線PEW 1.6mmを25回巻き、グランド側から12tでタップをとり、インピーダンス比50Ω:16.1Ωのオートトランスを製作してみました。
測定結果
Z=R±jX・・・51.1Ω=24.2Ω+j45Ω
1.908MHz VVC調整後・・・56.8Ω=53.8Ω+j18Ω
(後に給電部50Ω側のリアクタンスはキャンセルしました) 試作のオートトランス
1.8/1.9MHz Duplexer System for Shunt Feed Antenna
リニアアンプを通して送信してみた結果、丸コアT-200 #2(赤)1個では300W位でリニアアンプのプロテクターが動作し、負荷異常の表示で1kWは無理でした。
さらに、Shunt feed antenna側の切替リレー(G4F-1123T)が不良となってしまいました。原因は1kW送信での高圧がリレー接点NC,NOを融着したものと判断し、真空リレーRJ1A-26Sを入手し交換しました。
【1.908MHz 50Ω:16Ω(1kW仕様)オートトランス】
「トロイダル・コア活用百科」のデータ上は丸コアT-200 #2(赤)2個でも耐電力900W位でした。目標の1kW耐電力とするオートトランスは丸コアT-200 #2(赤)3個重ね(接着)が妥当と1.6mm銅線をナフロンチューブに通し14回巻き(50Ω)として、調整結果GND側から8t(16Ω)でタップを付けて製作しました。
1.908MHzにおける調整の結果、給電部(50Ω)測定データ(AA30)
SWR 1.05
Z=52.6Ω-j0.0Ω(VVC微調整後)
50Ω側補正コンデンサー 250pF、16Ω側タップ位置8t←GND 1kW仕様オートトランス/リアクタンスキャンセル250pF/50Ω
-追記-
切替リレー(G4F-1123T)のNC,NO接点の融着原因は配線の半田付けミスでNC,NO端子が流れた半田によってショートされていたのでしたHi
Shunt feed antennaの裸のインピーダンスは67.5Ω+j13Ω≒68Ωですので1kW送信で√P×√R=Vから≒259Vですのでリレー接点を融着させるほどの高電圧(DC750V,AC600V)ではありませんでした。 1.8(R side)/1.9(L side)MHz Duplexer
RJ1A-26S(26.5V/335Ω 2.5kV/14A)
1.8/1.9MHz Duplexer(Matching/Switching)
「1.8MHz/1.9MHz Duplexer」のコントローラーはトランシバーのSEND端子からの信号で真空リレー(RJ1A-26S)26.5VをON/OFFするためにADXA OMの設計による回路構成でSEND端子には12V以上の電圧が掛からない様に工夫しています。Auto Tuner用にSEND Lock SWとして1.9MHz側へセット出来るようになっています。
真空リレーへのDC26.5VとAC/DCインバーターの100VラインにはコアタイプのRFCを挿入しています。さらにAC100Vラインに避雷のアレスターを取り付けました。
1.8/1.9MHz Duplexer Controller 1.8/1.9MHz Duplexer Control system
運用ではトランシバーの送信ディレーを15msへセットして、送信時にリレーが切替る前に「1.8/1.9MHz Duplexer」へパワーが掛からない様にしています。この「1.8/1.9MHz Duplexer」で160m Digital Mode FT8を楽しみ、DXCCのエンテティアップを目論んでいます。
『JA7NI,JA7ZF OM'sオートトランスのリアクタンスキャンセル(補正C)、コントローラー回路設計におけるアシスト VY TNX』
1.8/1.9MHz Duplexerシステムの全体図
システムは順調に稼働し、CWやFT8で多くのnew oneを獲得しいます。DuplexerのVacuum Releyの動作時間をチェックした結果、トランシバーの送信デレィーを10mm secにセットして運用しています。
コントロールパネルの文字印刷は左のレタリングスタイルからマルチラベル用紙へWord印刷して貼り付け、見栄えを良くしたつもりですが性能には全く関与しません。
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