Common mode Filterの製作
160mの運用時にLANへインターフェアー(RFI,EMC)が発生するお話を聞いて、対策としてLANのラインへフィルターを入れると同時に、160mアンテナ給電部側の同軸にコモンモードフィルター(CMF)を取り付けて回避できないかと考え、丸コアを使った2種類(キャンセル巻き/W1JR巻き)のフィルターを製作しました。
1. LANのラインフィルター(2組製作)は下図の丸コア(H5B/TDK)外形27mm、内径11mmへ15回のキャンセル巻きで作り、インダクタンスは5mH位ありRFI阻止に効果があるはずです。(インダクタンスはLCR612(ΔTEX)で測定)
巻き方(大進無線HPより)
2. アンテナの給電同軸に取り付けるCMFは10本位製作しています。これらはTDK 2Z20,H5B,H5C2等の丸コアにRG-55/U同軸を3-6回巻きつけ、3-10個シリーズとして多くの種類を仕上げてきました。中にはLCR612(ΔTEX)による測定で1.5mH程度のインダクタンスが表示されたものもあり、コモンモードの阻止には十分な効果があるのではと考え使用していました。
Band別にセッテングしてあるCMFs
今回は160m用としてコア材FT114を6個シリーズで1個あたりRG-55/Uを2回のW1JR巻きで製作し、インダクタンスの測定だけではなく、近年入手したAA30(アンテナアナライザー)でインピーダンスも測定しました。
W1JR巻き方(大進無線HPより)
写真の右端が新たに製作したCMF(白色)でM座、N座コネクタとRG-55/Uの接続にはテーパー管を使用しています。
測定結果
インダクタンス L 175μH(LCR612)
インピーダンス Z 3.3kΩ(AA30)/1.825MHz
コモンモード減衰 -30dB以上(下図参照)
(大進無線HPより)
ここで、以前製作したCMF(TDK H5C2 RG-55/U 6回単純巻き 3個シリーズ) のインダクタンスが1.1mHだったのでコモンモード減衰量を期待し、これを白色に塗装して再び組み上げインピーダンスを測ってみました。
測定結果
インダクタンス L 1.1mH(LCR612)
インピーダンス Z 1.5kΩ(AA30)/1.825MHz
コモンモード減衰量 -23dB(換算表より)
白塗装で仕上げた1.1mHのCMF
CMF 減衰量比較 Z測定周波数1.825MHz
L:175μH Z:3.3kΩ -30dB コア:FT144(W1JR巻き)
L:1.1mH Z:1.5kΩ -23dB コア:H5C2(単純巻き)
考察
これまでCMF(コモンモードフィルター)としてはインダクタンスの値が大きいとコモンモード減衰量が大きくなるものと想定していました。
CMFの製作は使用する周波数でインピーダンスZが高くなる様にコア材と巻き方を選択します。インピーダンスZが高いほどコモンモード減衰が大きく、CMFによるインターフェアー(RFI,EMC)阻止が有効となるのです。
【追記】
AA30アンテナアナライザーは数nH~100μHまでがインダクタンスの測定範囲であると取説に書いてありました。そこでCMF 1.1mHにおけるAA30のインピーダンス値1.5kΩは測定範囲外かと疑問をもったので、スペアナにて1-30MHzの減衰量を測定してみました。
CMF 1.1mHの減衰特性
スペアナ測定 -23dB、AA30測定 -23dBと同程度の減衰量でした・・・ほっ!?!
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コメント
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コモンモードをバンド事にはFBです。
パパはローパスとコモンモードらしき物を、
ツナギ目の前後に入れています。
投稿: パパ | 2018年5月14日 (月) 04時38分
そうですね挿入する場所は悩みどこですが、160mではアンテナ基部マッチングボックスの50Ω端にCMFを入れて5D2Vでシャックへ、シャック側でパパさん同様にCMFとLPFを入れて送信機へコネクトしてます。
さらにエキサイターとアンプの間にもCMFをいれて、住宅密集地でDXを楽しんでますHi
投稿: Gyp | 2018年5月14日 (月) 06時05分