3.5-3.8MHz用 1:2バランの製作
岩手で開催された「第21回DXを肴に語る会」の席上で宮城のOMより3.5MHz帯のインピーダンス比1:2(50Ω:100Ω)バランの製作を依頼され、「急がないからね」と一言添えられました。
今年の夏はフェーン現象で秋田でも38℃近くまで気温が高くなり、とうとう体温を超えました。「たのむよ」「はい」と言ったはいいけれど、この暑さ参ったなと思いつつ、いつまでも記憶に残っていました。とうとう、重い腰をあげ、汗だにくなりながら作りました。 そこで、これ以上1:2バラン製作の依頼がこないようにと製作のノウハウを公開します。これまでに同軸バラン(1:1)、丸型コアバラン(1:2)、(1:4)及び丸型コアを使ったコモンモードフィルターなどの製作を経験しています。左写真は1:4のインピーダンス比の塩ビで製作したバランです。
アンテナバラン製作の参考回路図
(別冊CQ ham radio ワイヤーアンテナ)
こちらは丸コアでの製作例です。
今回は3.5-3.8MHz帯用ということで、長さ100mm、直径10mmのフェライトバーを使って製作してみました。これに1.6mmの軟銅線(長さ700mm)を2本をパラに12回巻きます。
軟銅線の絶縁にナフロンチューブ(ふっ素樹脂)を使用しました。ナフロンは耐薬品性、耐熱性、耐候性に優れているそうです。
ノウハウ!! 上記回路図を参考にして、左の写真のように結線します。巻き数やタップの位置はカットアンドトライで決めます。右が給電側で左がアンテナ側となります。
給電側にアンテナアナライザー(50Ω系)をセットし、アンテナ側には100Ωの無誘導抵抗を接続します。このときアンテナ側の片端に針を取り付け、針でチューブの上から挿し込み、アンテナアナライザーのSWRが最小そしてインピーダンスが50Ωとなるタップポイントを探ります。そのポイントにマーキングします。
タップの取り出しとなるマーキング部分のナフロンチューブを5mm程度カッターナイフで切り取ります。このときに、フェライトバーとタップが接触しないようにフェライトバー側のチューブを残します。タップの取り出しは工夫が要ります。密巻きにしたコイルから1.6mmの軟銅線でそのまま巻きつけ、タップを取り出すとタップ部分が膨らみ不恰好となりスマートではありません。そこで、1.6mmの軟銅線の先を平らにつぶし、写真のように耳かき棒のような格好とします。これをチューブの切り取られたコイル部分に挿し込み、ラジオペンチできつく巻き込ませ、タップを半田付けします。
特性は100Ω無誘導抵抗負荷で3.5-3.8MHz帯は給電側でSWR1.4、インピーダンスはジャスト50Ωの値を示しています。今回のタップの位置は6ター ン目で、ちょうどコイルの真ん中位でした。 1:2(50Ω:100Ω)アンテナバラン部の完成です。耐電力はかなりのものと思われます。ここからはセンスが問われる器の製作になります。各局のそれぞれ工夫があるものと思います。
暑い、暑いと言わずに格好よく仕上げ、性能を発揮させて涼しい顔で深夜、早朝のDXを楽しんで下さい。FB DX
・・・・・・・・・・・・ あっち~い 、あっち~い・・・・・・・・・・・・・
« メモリキーヤーのリモートボックス製作 | トップページ | DM-7800 Products »
Delta loopやQUAD ANTには、100Ωバランは便利な物ですので、フェライト一個のバラン興味あり、私も三種作成しました。フェライト一個タイプは、フェライト種類によりますがf特が狭かった。従来発表されているアンバランス+バランスのトランス2ヶの方が低いf特のフェライトでも1,8MHz-30MHzまで広い特性がとれました。フェライト一個タイプバランは、f特狭いANT向きによろしいようです。2 Bandくらいまでなら宜しいようです。小形に作成でき経済的ですね。私の実験結果です。 相沢
投稿: Keyer | 2007年8月18日 (土) 12時12分
AGLom TNX
これまで丸コァーを使ってバランを製作してきましたが、3.5MHz帯に限っての依頼でしたのでフェライトバーを使って製作してみました。
FT240-43の丸コァーを入手しましたので、大進無線のホームページで紹介されている巻き方でCMFを製作してみます。効果はいかほどかな??
投稿: Gyp | 2007年8月18日 (土) 12時38分
初めてお便り致します。
1.6mmのVACABLEでFDダイポールを試作していますが、1:4 1:6 のバランでは
うまくいきません、OMの1;2のバランで試したいとおもいます。
結果を報告いたします。当局はトロイダルコアでためします。
de JA6BDL
投稿: 浦野 | 2008年5月29日 (木) 23時24分
初めてお便り致します。
1.6mmのVACABLEでFDダイポールを試作していますが、1:4 1:6 のバランでは
うまくいきません、OMの1;2のバランで試したいとおもいます。
結果を報告いたします。当局はトロイダルコアでためします。
de JA6BDL
追伸 14MHZです。
投稿: 浦野 | 2008年5月29日 (木) 23時36分
JA6BDL om tks
1:2バラン製作の回路図が丸コァの製作例でFT240-43材などを用いるとハイパワーにも使えます。丸コァではタップ取り出しを1回以上巻き込んで取り出せます。
巻き回数は14MHzにあわせて調整が必要です。では、成功を祈ります。
投稿: Gyp | 2008年5月30日 (金) 04時50分